町田康「パンク侍、切られて候」レビュー:才能が爆発する圧倒的エンタメ小説

最近読んだ本

こんにちは。今日は最近読んだ本の紹介です。

2004年に発刊された小説作品で、2018年6月30日には綾野剛さん主演で映画も公開されています。

パンク侍、斬られて候 : 作品情報 - 映画.com
パンク侍、斬られて候の作品情報。上映スケジュール、映画レビュー、予告動画。芥川賞作家・町田康が2004年に発表した異色時代小説を、「新宿スワン」の綾野剛主演、「TOO YOUNG TO D...

こちらもYouTubeチャンネル「ほんタメ」で知った作品です。AIが生成した画像から小説のタイトルを当てる企画で登場しており、なんだか面白そうなタイトルだと思って読んでみました。

あらすじ

強烈な言語パワーにあふれたシュールな世界! 町田康の真骨頂、ここにあり

「腹ふり党」と称する、激しく腹を振って踊る新宗教が蔓延し、多くの藩が疲弊していた。牢人・掛十之進はそのいかがわしい弁舌と剣の実力を駆使し活躍するが……。

引用:https://amzn.asia/d/f3ABWLZ

感想

感想を述べるのがとても難しい、、、

こんなに感想が難しい作品は初めてです。

設定も展開もぶっとんでいて、小説というよりはギャグマンガを読んでいるような感覚でした。

タイトルから「戦国時代の出来事にフィクションを加えた時代小説なのかな~」と思っていたのですが、読んでみたら超絶SFで圧倒されました。

いろいろとハチャメチャでしたが、勢いや言葉遣いがバカバカしくて面白かったです。

中でも、「そのやりとりわざわざ書く必要ないでしょ」とツッコみたくなるような、しょうもないやり取りが面白くて私はすごく好きでした。

例えば、魂次、掛、菅原の3人が、腹ふり党の暴徒たちから二階の窓から逃げるシーンで、菅原が「武士としての体面があるから、裸足で逃げ出すのは~」とゴネていたけど、魂次と掛が菅原を置いて窓から逃げようとすると「待ってくれ、私も窓から逃げる」と、一瞬で武士としてのプライドを捨てるところなど、なんか面白くてクスッとしてました。

こんなギャグみたいなパートばかりかと思えば、周囲から嫌われる人や、口だけは威勢がいい武士などに対しての風刺も効いていて、痛快で共感する場面も多くあります。

風刺の鋭さ、わけわからん展開を思いつく頭など、町田康さんの圧倒的な才能を感じる作品でした。何食って育ったらこんな作品が書けるのか、誰か研究してほしい。

まとめ

わけわからんけど面白い作品でした。

映画は見てないけどB級映画臭がプンプンします。いい意味で。

私はネットフリックスやhuluなどのサブスクを何も契約していないので、映画は見れないですが、もし地上波で放送される時があればぜひ見てみたいと思います。

以上、「パンク侍、切られて候」でした。

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