伊坂幸太郎「逆ソクラテス」:子供の可能性を広げる珠玉の物語

最近読んだ本

こんにちは。今日は最近読んだ本の紹介です。

タイトルはずっと知っていたものの、縁がなく読む機会がなかったのですが、図書館でたまたま見かけたので読んでみました。

  • 2021年本屋大賞ノミネート作
  • 第33回柴田錬三郎賞受賞作

柴田錬三郎賞とは現代小説、時代小説を問わず、真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品に贈られる賞だそうです。

あらすじ

【2021年本屋大賞ノミネート作】
【第33回柴田錬三郎賞受賞作】

敵は、先入観。
世界をひっくり返せ!

伊坂幸太郎史上、最高の読後感。
デビュー20年目の真っ向勝負!

逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える――「逆ソクラテス」
足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが――「スロウではない」
最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも――「アンスポーツマンライク」
ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」――書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。

引用:https://amzn.asia/d/ewFwoPy

感想

小学生あるあるがたくさん詰まっていました。

小学生時代に多くの人が実際に経験したことがあるであろう出来事が書かれているうえに、子供目線で書かれているため難しい言葉が少なく、とても読みやすい本でした。

本作で私が一番いいなと感じた点は、嫌な人や嫌な出来事に対して、懲悪勧善のようなあからさまに教訓的な話にするのではなく、現実に則した解決方法や心の持ち方が示されていることでした。

特に収録されている5つの短編のうちの1つ「逆ソクラテス」に出てくる、「僕はそうは思わない。」という言葉にはしびれました。

子供はまだ幼いために、先生の言うことは全て正しいと信じていたり、周りの友達が言うこと、例えば「ピンクの服は女の子が着るもの」だと言っていれば、そういうものなんだと思ってしまいます。

ピンクを着たい男の子はそう言われたら傷つき、自己肯定感が低くなってしまうこともありますが、その時に「僕はそうは思わない。」と思えれば、その子の今後の人生を大きく変えうると思います。

将来、子供が生まれたら、「逆ソクラテス」を読ませたいと思います。

まとめ

とても読みやすく、得るものも多い作品なので、教育者や子供のいる親にはぜひ読んでほしい作品です。短編1つなら30分くらいで読み終わります。

子供の自己肯定感のためにも、無自覚に人を傷つける子にさせないためにも、この本は参考になると思います。子供もこれを読めば、視野が確実に広がります。

伊坂幸太郎さんは「ゴールデンスランバー」、「グラスホッパー」を読んだことがありましたが、「逆ソクラテス」は全くテイストが違くて驚きました。

機会があれば他にも読んでみたいと思います。

以上、「逆ソクラテス」でした。

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