こんにちは。今日は最近読んだ本の紹介です。
フィリップ・K・ディックさんの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」という本です。
あらすじ
第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきた〈奴隷〉アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、決死の狩りをはじめた! 現代SFの旗手ディックが、斬新な着想と華麗な筆致をもちいて描きあげためくるめく白昼夢の世界!
リドリー・スコット監督の名作映画『ブレードランナー』原作。
35年の年を経て描かれる正統続篇『ブレードランナー2049』キャラクター原案。
感想
斬新なSFでした。
SFならではのぶっ飛んだ設定を把握するのに時間がかかることと、元々洋書を翻訳したものであることが相まって、序盤はかなり読みづらかったですが、世界観がつかめてくると楽しく読めました。
私の読解力不足で、最後まで意味が分からないまま終わってしまった部分もありますが、全体のテーマとしては「人間とは何か」を考えさせることにあると思います。
テーマ自体はありがちなものですが、「火星から逃げ出したアンドロイドたち」と「それを狩るバウンティーハンター(人間)」というアクション的な設定で、アンドロイド的思考と人間的思考を対比させては矛盾させて、「人間とは何か」を考えさせるというその切り口が面白いと感じました。
主人公のリックがアンドロイドたちと対峙していく中で、アンドロイドの中に人間性を見出し、また反対に人間の中にアンドロイド性を見出してしまい、果てには自分自身が人間なのかアンドロイドなのかも自信がなくなっていくという心理の変化が特に印象的でした。読んでいて怖くなりました。
本編が終わった後の「訳者あとがき」も面白く、さらに深く考えることができるので、ぜひ本編読了後も最後まで読んでいただきたいと思います。
まとめ
ある程度の教育が普及した2024年で、SFにも多少は触れたことがある私が斬新に感じるんだから、この作品が世に出た当時(1977年)に本作を読んだ人たちはさぞ困惑したことだろうと思います。
序盤はかなり読みづらかったですし、好き嫌いが分かれる作品だと思いますが、興味がある方は是非読んでみてください。
以上、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」でした。
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