こんにちは。
今日は私が最近読んだ本がとても面白かったので記事にしたいと思います。
歌野晶午さんの「葉桜の季節に君を想うということ」という作品です。
- 第57回日本推理作家協会賞受賞
- 第4回本格ミステリ大賞受賞
- このミステリーがすごい! 2004年版第1位
- 本格ミステリベスト10 2004年版第1位
- 週刊文春 推理小説ベスト10 2003年度第2位
など数多くの賞を受賞したとのこと。
今日は私がこの作品を読んで特に素晴らしいと感じた点を3点、紹介したいと思います。
映像が浮かぶ具体的な描写
作品を通じて、描写が非常に具体的です。
車で走っている道路や交差点の名前、どこのカフェに入ったか、どこの公園にいるか、駅の名前にどこ行きの電車に乗ったかなど、全て実在のものが登場します。
また服装や髪の色など、人物像にも細かく描写があります。
誰とどこで会って、どんな話をしているか、非常に細かく描写されているので、脳内で映像が浮かんでスムーズに読み進めることができます。
私は大学時代、東京にある大学に通っていたので、交差点の名前や駅名などは特に想像しやすく、グーグルマップを開いてどこを通って移動したかを考えながら読むのも楽しかったです。
主人公の生き方
主人公は朝は5時に起床、ストレッチ、ジョギング、新聞を読み、フィットネスクラブでウエイトトレーニングすることなどを日課としており、もうすでにできる男の匂いがプンプンです。
そんな主人公の職業は「何でもやってやろう屋」。
探偵、パソコン講師、テレビドラマのエキストラ、ガードマンなど、どんな仕事でもやってやろうとするチャレンジングな職業です。
また日常的に複数の女性と援助交際をしており、女性を助手席に乗せ、煙草を吸いながら白金の街を車で走る様は非常にハードボイルドである。
援助交際に関しては褒められたものではないですが、バイタリティーに溢れた生き方をする主人公は魅力的です。
どんでん返しの構成
何と言っても話の構成が素晴らしい。
それぞれの章で一人称視点が変わったり、過去の話になったりします。
「まあ、結局最後にはこれらの話が繋がるんだろうな」と思いながら読み進めますが、どう繋がるのか想像がつかないまま本のページは終盤に入ります。
この話本当にまとまるのか?本当に大丈夫か?
なんて思いながら進みましたが、本当にまとまりました。大丈夫でした。
完全に騙されました。
絶対に騙されないぞと、警戒Maxで読んだとしても絶対に騙されます。
ネタバレは見ずに、とにかく一回読んでみてほしい。
きっと共感できるはずです。
感想
けっこうな長編ですが、面白くて読む手が止まらず1週間で3周も読んでしまいました。
ぜひこの本は2周、3周と読んでほしいです。
というのも、結末を知った上でもう一度読み返すと、筆者の歌野晶午さんの細かい工夫に気が付いて二度も三度も楽しめる作品だからです。
毎月2,3冊は本を読んでいる私ですが、この本は今年読んだ本で一番面白かったと感じました。
ぜひ皆様も読んで、騙されてみてください。
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